Vol.94 面と色彩のコラボレーション
―マティス、カトラン、ミズテツオ、大沢昌助 他 ―
会期 7月2日(水)~7月27日(日)
面と色彩のコラボレーションとして、ここでは3人の作家を取り上げます。
1人目は、色彩の魔術師と呼ばれたアンリ・マティスの「JAZZ」です。20点の切り紙絵からなるこの作品は、1947年にテリアード出版から270部限定の版画集として発表されました。マティス自身「私は色で描くのではなく、色で切り取る」言っているように、切り紙絵は、マティスの新しい表現方法でした。内容は、サーカスや旅の思い出を題材としていますが、即興的に演奏される「JAZZ」のように軽やかな音楽が聴こえて来そうです。
2人目は、80歳を過ぎて独自の抽象絵画を確立した大沢昌助です。初めて風景画を観たときは、使われている色の少なさに驚きましたが、余計なものをすべて削ぎ落した単純な線と色彩の構成に想像力を搔き立てられました。
最後は、今年1月30日に肺炎のため80歳で逝去したミズテツオです。海上で船舶間の通信に使用する国際信号旗に着想を得た独自の作風で脚光を浴びました。赤、青、白、黄色を細いラインで仕切ったマットで量感のあるマチエールは、なぜか落ち着きのある色彩となって見るものを包み込んでくれます。
本展では、ほかにベルナール・カトランや浜口陽三、熊谷守一などの作品も展示販売します。正に色彩と形が織りなすダイナミックな世界をお楽しみください。
*作品の一部を順次インスタグラムにアップしていきます(^^♪ @aoyamasatog
*Nagoya art news No.203(URL:http://artnews.jp)掲載中
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